ロハス製薬のフェイスマスク「オルフェス」のCMが
物議を醸しているとの記事がヤフーニュースに
あったので興味本位で視聴してみた。
CMは「チャンス篇」と「ピンチ篇」の2種類がある。
まず「チャンス篇」では女性が落としたリンゴを
イケメン男性が拾ってあげるのだが、
そのリンゴを落とした女性にではなく
通りがかった別の美人の女性に渡そうとしてしまう
という内容。
一方、「ピンチ篇」では女性が落としたリンゴを
ブサメン男性が拾ったところ
女性は「ギョッとした」表情になってしまう。
さらに、ブサメン男性は
通りがかった別の美人の女性にリンゴを渡すが、
女性はおびえた表情でその場を立ち去るという内容。
まずこれを視聴して思ったことは
このCMを製作した人はセンスがないなぁ、ということ。
そもそも相手の容姿が良かろうと悪かろうと
リンゴを拾ったなら落とした本人に渡すのが
当然なわけで、リアルさが欠如しており
内容的に面白くない。
また「ピンチ篇」にブサメン役として出演している
男性についてだが、僕からすると、
この人は別にそこまで不細工ではないし、
「普通の人」の顔の範疇である。
よって、現実ではこのCMのように
女性がおびえた表情になることは
考えにくい。
この点からしてもやはり
リアルさが欠如しており、
センスがないなと感じてしまう。
話は少し変わるけど
世の中の多くの人は「不細工」という
単語が持つ意味を深く考えてはいない。
たとえばヤフー知恵袋などの質問サイトでは
「私の顔は不細工ですか?」
などという文面とともに
顔写真を載せている質問を多く見かけるが
僕からすると、その質問は曖昧な印象を受ける。
なぜなら、人の顔は「イケメン・美女」「普通」
「不細工」などといった単語で
分類できるほど単純ではないからだ。
仮に「あなたの母親は料理が下手ですか?」
と聞かれたとしよう。
僕はどう答えるべきか?
しっかりと回答するのであれば、
「飲食店を営んでいる人や料理教室に熱心に
通っている人に比べたら下手だけど、
僕よりは上手い」と答えることになるだろう。
「不細工ですか?」という質問についても
これと同じことが言える。
人はよくこんなことを言う。
「不細工でも内面を磨けば
彼氏や彼女ぐらいつくれる」
ここまでこの記事を読んでくださっている方であれば
僕が言いたいことがわかるかもしれない。
↑に書いたようなことをいう人は
「不細工」という単語が持つ意味を
曖昧にしか捉えていないのである。
すなわち、世の中には
軽度の不細工から重度の不細工までいるわけだけど
それらを全て一括りにしてしまっているのだ。
僕の経験上、重度の不細工の場合
彼氏・彼女をつくることは不可能とまでは
言えないかもしれないけど、
「極めて困難である」と断言できる。
ヤフー知恵袋で
「彼氏に不細工だと言われました」
といったことが質問文の中に書かれていることを
よく目にするが、僕からすると
「そもそも彼氏がいる時点で
心配するほど(日常生活に支障が出るほど)
の不細工ではないから安心してください」
って思ってしまう。
先ほどのCMの話に戻るけど
ブサメン役として出演している男性は
イケメンではないけれど、普通の表情をしていれば
全く問題ない容姿だと僕は思う。
またリンゴを落としてしまう女性役の人も
十分に美人である。
このCMはセンスがない、と批判したわけだけど
僕が唯一「良かったな」と思うのは
「CMの炎上騒ぎを通して容姿差別に
関心を持つ人がある程度いるということ」
がわかったことだ。
経験上、たしかに容姿差別というものは存在する。
しかし、それは人種差別や性差別と比較して
十分に認知されているとは言えない。
これはおそらく、一般的な容姿を持っている人は
容姿差別というものが存在すること自体を
知らないか、そもそも興味がないからだろう。
僕も整形手術後は容姿で嫌な思いをすることが
なくなり、容姿差別とは無縁の世界で生きてきた。
その結果、次第に容姿差別というものを
意識しなくなっている自分がいることに
気づいたのである。
「無関心」もある意味、差別と同じである、と
この記事の最後に僕は言っておきたい。