カウンセリングを終えてからの1か月間は
本当にあっという間だった。
今回は輪郭整形ほど大掛かりな手術ではないので
持ち物などの準備はそこまでしっかり
行なってはいない。
食料は現地で買えばいいや、と思っていたので
何1つ持って行かなかったし、
持って行ったのは衣服や日用品ぐらいだった。
輪郭整形の時に韓国に滞在していた経験があるので、
特に不安なこともない。
仕事から帰ってきた僕はキャリーバッグに
荷物を詰め込み
お風呂に入って寝ようとした。
ところが神経が高ぶってなかなか寝付けない。
結局僕が寝たのは深夜2時ぐらいだった。
・・・目が覚めた。
時計を見ると時刻は5時40分。
「5時40分!!」
僕は飛び起きた。
本来起きなければならない時刻は3時50分だった。
「どうしよう!飛行機の時間に間に合わない!!」
キャリーバッグを抱えて家の外に飛び出す。
最寄りの駅までダッシュで走り
駅のホームでネットを使って路線情報を見た。
「ダメだ・・・成田空港まで予定していた経路で
向かうとすると絶対に間に合わない・・・
一体どうすればいいんだ・・・」
僕は考え、間に合うための唯一残された経路で
向かうことを決断した。
その経路とは日暮里駅から京成スカイライナーという
座席指定の有料特急列車を使う方法。
しかし、この決断は賭けだった。
なぜなら、僕が乗車しなければならない
スカイライナーが日暮里駅を
発車するまでの残り時間はあと35分。
僕が日暮里駅に到着した後、
3分後に発車してしまう計算だった。
したがって、駅の窓口で呑気に切符を発券する
余裕など全くなかったのである。
もちろん京成スカイライナーは座席指定なので
普通の列車のように
Suicaで改札を通るだけで乗れるはずはなかった。
そこで僕はまず、山手線に乗り、
日暮里駅へと向かう電車の中で
京成電鉄のインターネット予約サービスの
会員登録を行った。
これが結構面倒で、
時間が20分ぐらいかかったと思う。
スカイライナー発車まで残り15分。
僕は急いでネット予約画面を開き、
座席の予約を行った。
座席のほとんどはすでに埋まってしまっていたが
ほんのわずかだけ空いている席があったので
そこを確保。
なんとか発車約10分前に予約を確定させ、
山手線は日暮里駅に到着した。
電車のドアが開くと同時に
スカイライナー乗り場まで走り
僕は予約した列車に飛び乗ったのだった。
つづく