朝10時、目が覚めた。
今日はこれから仕事に行かなければならない。
下の階に降りると、母親がいた。
2週間ぶりに顔を合わせる。
母親は旅行はどうだったのか、
と聞いてきたので
和歌山・大阪・奈良・京都近辺を
2週間かけて旅行してたけど
なかなか良かった、ということを話した。
間違っても韓国に遊びに行った
などとは話してはならない。
お土産で買ってきた「京ばあむ」を食べつつ
今回の旅行について適当に話をして誤魔化した。
母親は僕の顔を見ても何とも思っていない様子。
それもそのはず。
今の僕の顔は手術前の顔と
ほとんど変わっていないのだから。
人によって差はあるかもしれないが、一般的には
輪郭整形手術2週間後の顔はもとの顔に近くなる
のだという。
昼前に職場に到着。
僕の仕事は医療関係なので、
基本的には毎日マスクを着用している。
だから輪郭整形をしたとしても
腫れを隠すのは簡単だ。
職場の人には予め「口腔内の手術をする」
と伝えてあったので、
みんなに「手術大丈夫だった?」と聞かれたが
顔については何も突っ込まれなかった。
だが、少し困ったことが判明した。
この日、久しぶりの仕事で
人とたくさん話をしたのだが
口をうまく動かすことができず、
流暢に言葉を発することが難しかった。
そしてもう1つ、こっちの方が問題なのだが
仕事が終わった後に道を歩いていて
「顎が突っ張る感覚」を強く感じた。
今までは食べる時以外、
口をほとんど動かさなかったので気がつかなかったが、
この時の僕は顎にかなりの違和感を感じていた。
「早くもとに戻ってほしい」
そう思いつつ、僕は自宅まで帰ったのだった。
つづく